今回は、私たちが日々直面する「なぜか仕事が終わらない…」という悩みを解決してくれる、伝説のプログラマー中島聡さんの著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』の内容を、ギュッとまとめてご紹介したいと思います。
中島聡さんと言えば、MicrosoftのWindows95に右クリックやダブルクリックといった画期的な機能を実装させた方。そんな「仕事のプロ」が教えてくれる、仕事が早く終わらない理由とその対策法は必見です！
仕事が締め切りに間に合わないと、周りからの信頼を失うだけでなく、プロジェクト全体の進行にも悪影響を及ぼしますよね。私自身も、「もっと早く終わらせたい！」と日々感じているので、この本から学んだことは本当に目からウロコでした。
それでは早速、仕事が終わらない原因から、その具体的な対策まで、一緒に見ていきましょう！
あなたの仕事が終わらない「根本的な原因」とは？
「私の仕事、なんでいつも終わらないんだろう…」そう思ったことはありませんか？中島聡さんは、仕事が遅いのは能力の問題ではなく、多くの場合「やり方の問題」だと指摘しています。
この本で最も大きな原因として挙げられているのが、「締め切りギリギリまで手を出さない」というやり方です。これはまさに、学生時代の夏休みの宿題を思い出させますよね（苦笑）。
余裕を奪う「ラストスパート思考」の罠
締め切りギリギリになって慌てて仕事を始めると、心に余裕がなくなり、思考力が低下してしまいます。その結果、予想外の出来事や難しい問題にうまく対処できなくなり、最終的に仕事が終わらなくなってしまうのです。著者はこのやり方を「ラストスパート思考」と呼び、「主役の根源であり、仕事をする上で最も避けるべきこと」だと強く警鐘を鳴らしています。
実際に、時間がなくて焦っている時はミスが増えやすいものです。お金や時間などの余裕がなくなると、人は「頭が悪くなってバカな行動を取ってしまう」とまで言われています。
徹夜や残業は「悪手」だった！
「仕事が終わらないなら、徹夜や残業で無理やり終わらせればいい」と考える人もいるかもしれません。私も何度かそれでピンチを乗り切った経験があります…。
しかし、これは残念ながら「悪手」だと指摘されています。多くの研究で、徹夜をすると集中力や注意力が低下することが分かっているからです。夜に書いたラブレターを朝に見返すと「気持ち悪くて読めない」というのも、徹夜で脳が疲れきって思考力が落ちている証拠なんだとか。
タイタニック号がギリギリで氷山を避けようとして沈没してしまったように、大抵のことはギリギリで何とかしようとしても、すでに手遅れなんです。
仕事を「爆速」で終わらせる3つの方法
では、どうすればこの「仕事が終わらない」ループから抜け出せるのでしょうか？中島さんは、仕事を早く終わらせるための具体的な方法を3つ教えてくれています。
1. 締め切りは「必ず守る」という強い意識を持つ
「当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、この「当たり前」ができていない人が非常に多いそうです。著者の経験では、常に締め切りを守れる人は100人に1人もいなかったとまで言います。
心の中で「遅れても仕方ない」と思っていると、結局ギリギリになって手をつけてしまいます。大事な受験や最終面接に遅刻しないように30分前には到着していたように、仕事の締め切りも「絶対に間に合わせる」という強い意識を持つことが何よりも大切です。
この意識を持つことで、信頼されるようになり、今よりもさらに大きな仕事を任せてもらえるようになります。
2. 最初の「2割の時間」で「8割の仕事」を終わらせる
これが最も革新的な考え方かもしれません。仕事が遅れる原因が「ギリギリまで手を出さないこと」なら、その真逆をいけばいいのです。つまり、スタートダッシュを切って、できるだけ早く仕事を「ある程度形にする」こと。
例えば、納期が10日の仕事なら、最初の2日で8割の仕事を終わらせるイメージです。まるで夏休みの宿題を最初の数日で終わらせてしまう「猛者」のようですね。
「ものすごく大変じゃないか」と思うかもしれませんが、最初に大半の仕事を終わらせておけば、心に余裕が生まれます。仕事の後半に時間のかかる難しい部分や想定外のことが起こっても、落ち着いて対処できるようになります。
もし、最初の2割の時間で8割の仕事が終わらない場合は、その時点で正直に「締め切りの延長」を申し出ましょう。早い段階で問題を報告すれば、人員を増やしてもらえたり、納期を遅らせてもらえたりする可能性もあります。ギリギリになって「できませんでした」と伝えるのは絶対にいけません。
「仕事は最初が肝心」。これは、あらゆることに言える真理なのです。
3. 残りの「8割の時間」で「2割の仕事」を仕上げる
最初のスタートダッシュで8割の仕事を終えたら、残りの8割の時間は、コーヒーでも飲みながらゆったりと、残りの2割の仕事を片付けていくイメージです。マラソンと同じで、ずっと全力で走り続けることはできません。
この時間は、仕事の「ブラッシュアップ」に充てます。例えば、文章の書き間違いがないかチェックしたり、もっと良い言葉がないか考えたりするような、細かな作業を進めて完成度を高めていくのです。
ここで重要なのが、「納期よりも早く仕事を終わらせてしまわない」ことです。なぜなら、早く提出してしまうと、上司から「なんだ、思ったより簡単な仕事だったのか」と勘違いされ、次の仕事が増えてしまう可能性があるからだそう。このあたりは、現実的な大人の戦略ですね！
後半は、スタートダッシュで疲れた体と心を回復させつつ、納期をしっかり守って提出する。そうすることで、また次の仕事でもスタートダッシュを決めることができるようになります。
スタートダッシュを成功させる「4つの秘訣」
「2割の時間で8割の仕事を終わらせるって言われても、それが一番大変なんだよ！」という声が聞こえてきそうです。ご安心ください。著者が全力で仕事を進める際に意識している4つのポイントも教えてくれています。
1. 朝早くから仕事を進める
朝は頭がすっきりしているだけでなく、誰にも邪魔されずに仕事に集中できる「ゴールデンタイム」です。Twitterの創業者ジャック・ドーシーは朝5時起き、Appleのティム・クックCEOは毎朝3時45分起き、著者は朝4時から仕事をしているそう。さすがに早すぎ…と思うかもしれませんが、それだけ朝の時間は価値があるということです。
夜は疲れきって思考力が落ちているので、できる人は夜はさっさと寝て、朝に勝負をかけているのですね。
2. 「チェックリスト」を作って仕事を進める
今日やるべきことを細かく書き出した「チェックリスト」を作ることは、爆発的に効率を上げる秘訣です。
例えば、「7時から8時まで仕事Aのこの部分をやる」「8時から9時までは見直しチェック」といったように、15分刻みでタスクを細分化して書き出します。こうすることで、次に何をすればいいか迷う時間をなくし、決めた時間内にタスクを終わらせようという意識が働くようになります。
USJやディズニーランドで予定が決まっていると迷わず行動できるのと同じですね。スマホのタイマーなども活用して、時間内にここまで終わらせると決めて進めるのがおすすめです。著者は仕事の前日にチェックリストを作っているそうです。
3. 「完璧主義」にならない
完璧主義は、100点に近づけようとするあまり、いつまで経っても仕事を完成させられなくなる落とし穴です。やればやるほど「もっと遠くに100点があるような気がして、このままじゃ提出できない」という気持ちになってしまうのです。
もちろん、妥協せず良いものを作ろうとする気持ちは大切ですが、一度きりの仕事は稀で、ほとんどの仕事はやり直しになるものだと著者は言います。また、自分にとっての100点が、周りの人にとっての100点とは限りません。
完璧主義になってしまうのは、「自分の仕事を低く評価されるのが怖い」という「評価恐怖症」が原因だそう。これに囚われると、終わるはずの仕事も終わらなくなってしまいます。
与えられた時間の中で最大限頑張って仕上げたものを、勇気を出して提出してみることが重要です。もし不評であれば、後で修正していけばいいのです。あの宮崎駿監督でさえ、締め切りを守るためなら、重要で手のかかるシーンをカットすることもあるほど、締め切りを大事にしているのだとか。
4. 「大事な仕事以外」は手をつけない
これはシンプルに、限りある集中力を無駄なことに使わないということです。朝早く起きて、どうでもいいメールチェックや漫画、SNS、電話などの雑用をしていると、本当に大事な仕事を終わらせる集中力がなくなってしまいます。
著者は、スタートダッシュしている最初の2日間は、メールもSNSもやらないと徹底しているそうです。気が散るものは全てシャットアウトし、シングルタスクで「大事な仕事だけ」に全集中することが、スタートダッシュ成功の鍵となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
仕事が終わらない最大の原因は「締め切りギリギリまで手を出さないこと」。これを解決するには、以下の3つのステップが重要です。
- 「必ず締め切りを守る」という強い意識を持つ
- スタートダッシュを切り、最初の「2割の時間」で「8割の仕事」をさっさと終わらせる
- 後半は「8割の時間」で残りの「2割の仕事」をゆっくりと完成度を高めていく
そして、このスタートダッシュを成功させるための秘訣が、以下の4つでした。
- とにかく朝早くから仕事を進める
- 「チェックリスト」を作って仕事を進める
- 「完璧主義」にならない
- 「大事な仕事だけ」に集中する
感想
今回の内容を読んで、私は特に「最初の2割の時間で8割の仕事を終わらせる」という「スタートダッシュ」の考え方に非常に感銘を受けました。これまで「締め切りが近づくとギアが入る」とばかり思っていましたが、それが実は「ラストスパート思考」という「悪手」だったとは！
人間の心理に基づいた「心に余裕が生まれる」というメリットや、「評価恐怖症」という完璧主義の根源を指摘している点も、とても深く納得感がありました。また、納品を急ぎすぎると次の仕事が増える可能性があるという、現実的なアドバイスも非常に興味深かったです。
もちろん、著者がプログラマーという比較的自由に仕事ができる職種だったこともあり、全ての方法が全ての仕事に当てはまるわけではないかもしれません。しかし、今日学んだ内容の中には、私たち一人ひとりが自分の仕事のやり方を見直し、生産性を向上させるためのヒントがたくさん詰まっているはずです。
ぜひ、今日から一つでも取り入れて、皆さんの「仕事が終わらない」悩みが少しでも軽くなることを願っています！
最後までお読みいただき、ありがとうございました。