本要約

【簡易まとめ】「降伏論 「できない自分」を受け入れる」 要約と感想

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今回は、元プロ野球選手で現在はビジネスコーチやライターとして活躍されている高森勇旗さんの著書「降伏論「できない自分」を受け入れる」について深ぼっていきます。

皆さんは「努力は報われる」そう信じて、がむしゃらに頑張り続けているのに、なぜか結果が出ない…。そんな歯がゆい思いをしていませんか?

この本は一言で言えば、「今まで結果が出せなかった人が結果を出す方法」を教えてくれる、まさに人生の攻略本とも呼べる内容です。

著者の高森さん自身も、かつては「結果が出ない自分」に苦しんでいたそうです。プロ野球選手として6年間活動し、1日に2000回以上バットを振り、週6日の過酷なトレーニングをこなしながらも、結果はたった1本のヒット。年俸も1年目の460万円から80万円にまで下がり、24歳で球団をクビになってしまいます。

どれだけ一生懸命やっても結果が出ない。その苦しみを経験した著者だからこそ、私たちに響く、本質的な「結果を出す方法」を教えてくれるのです。一体どうすれば、そんな状態から脱却し、結果を出せるようになったのか。その秘密を一緒に探っていきましょう!

「できない自分」を受け入れるということ – 過去の選択を認める降伏論

結果が出ない人の最も大きな特徴は、「自分には能力があって、物事を正しく判断する能力がある」「自分はこんなもんじゃない」と本気で思い込んでいることだと言います。そのため、何があっても自分のやり方を変えようとせず、成功している人のアドバイスにも耳を傾けません。

しかし、考えてみてください。今のあなたは、生まれてからずっと、「自分のやり方、判断、価値観」に従って選択をしてきた結果です。もしあなたが20代後半以上で、未だに「うつがらない(うまくいかない)人」や「結果が出ない人」だとすれば、それは「今までの自分のやり方、価値観、選択に従っていては結果が出ないことが、めでたく証明された」ということになります。

この事実を認めず、結果を出している人のアドバイスに耳を傾けずに自分の意見や判断を優先しているから、うまくいかないのです。

だからこそ、まず最初に「俺はこんなもんなのかもしれない」「今の自分では永遠に結果を出すことはできない」と自分で自分に対して降伏する必要があります。この本のタイトルである「降伏論」とは、まさに「今までの自分に降伏せよ」という意味なんですね。

成功者の常識は、結果が出ない人の非常識です。たとえ成功者のアドバイスが自分には理解できなくても、素直に実行に移すことで、初めて成功への道が開かれるのです。

「でも」は自己変革の最強の敵!言い訳をやめる

降伏し、成功者のアドバイスに耳を傾けようとしても、私たちの心は変化を嫌うものです。その時に出てくるのが、「でも」という言葉です。

「筋トレする時間はないし」「副業は会社で禁止されているんですよ」 この「でも」という言葉は、私たちを今のままの場所にとどめさせる強力な引力を発生させると著者は言います。本能的に変化を嫌う人間にとって、「でも」は「自己変換の最初の敵であり最強の敵」なのです。

では、どうすればこの「でも」を使わずにいられるのでしょうか?

ポイントは、「でも」という言葉を使う時、それが「自分をここまで連れてきた、結果の出せない自分の思考なのだ」と気づくことです。そして、「でも」と口にしたら、即座に「あ、じゃあ今のままの自分でいいんですね?」と自分に問うてみるのです。

最初は「無理無理」とか「でも」と口から出てしまうことは許容されます。その代わり、「でも」が出てきた時に即座にその言葉を打ち消す言葉として、「やってみます」とか「はい」と言ってみるのが効果的です。まるで「バルス」を唱えるかのように、反射的に打ち消すイメージです。

著者自身も、尊敬する経営者から「電車に乗るのをやめてみて」と言われた際、「お金持ちになるのと関係ない」と最初は思ったそうです。しかし、自分の思考は「年収580万円の自分の思考の範囲内」であり、年収1億円以上稼ぐ人の思考は理解できないことが多いと悟り、「でも」を飲み込んで「やってみます」と行動したのです。

もしやってみてダメだったら、そのことをアドバイスしてくれた人に伝えたり、違う人のアドバイスに耳を傾けたりすればいい。とにかく、結果が出ている人の言っていることをどんどん試していくことが重要なのです。

心が抵抗する方へ飛び込め!行動で自分を変える

新しいことに挑戦しようとしたり、結果を出している人のアドバイスに従ったり、未知のことを行動しようとすると、当然、恐怖が生まれ、心がとんでもなく抵抗してくるものです。

「あそこにいる女の子に声をかけて連絡先を聞きに行きなさい」と言われたら、きっと「キツイ」「絶対嫌な顔されて拒絶される」と思うでしょう。それでも、結果を出している人が「やれ」と言ったら、やってみるのです。

この「怖え」「やりたくねえ」といった抵抗心が生まれた時こそ、自分を大きく変えるチャンスです。むしろ、自分の心が抵抗する方へ無理にでも行かないと、何十年も生きてきて固まってしまった自分の価値観や行動を壊すことはできません。

芸術家の岡本太郎さんも「いいかい、怖かったら怖いほど逆にそこに飛び込むんだ」と語っています。本を読んだり、尊敬する人からのアドバイスを聞いて足がすくんだり、怖いと思うことほど試してみるべきです。なぜなら、物事を知って「分かる」ようになるには、必ず行動して体験してみる必要があるからです。

そして、恐怖を乗り越えて行動できると、「俺やれるじゃん、すげえ」となって自己肯定感も上がるのです。

「今までの自分の選択を繰り返していても、今の自分の延長線上の結果しか手に入れることができない」。自分の延長線上にはない結果を手に入れるためには、思いっきり「射線を変える」というか、むしろ「逆走する」くらいの行動の変化が大事になるのです。

未完了のタスクを一掃し、頭をスッキリさせる

「自分の選択が間違っていたことを認める」ことができたら、次に絶対にやってほしいことがあります。それは、未完了のタスクをさっさと完了させることです。

未完了のタスクとは、まだやっていないけどいつかやろうと思っていたり、やろうか迷っている課題や気になっていること全般を指します。例えば、お金の借り入れ、税金や年金の支払い遅延、LINEやメールの返信、部屋の掃除、トイレットペーパーの補充、マイナンバーカード作成の迷いなど、実に多岐にわたります。

これら「やろう」と頭の中に留めているあれこれが、忘れているようでしっかりと私たちの頭の中に残り、気を散らす原因になるのです。友達と喧嘩した時にそのことが気になって勉強や仕事が手につかなくなるように、借金をしていると何をしていてもお金のことが気になって思考力が低下するように、小さな未完了のタスクでも同じように私たちの気を散らし、結果が出せない原因となるのです。「未完了がいっぱいある人はスタート地点の段階でもう遅れている」とまで書かれています。

では、どうすれば良いのか?

まず、10分間で紙やスマホのメモ帳に、未完了のタスクをバーっと書き出すことです。思いつく限りの「やるか、やらないか、気になっていること」を書き出しましょう。20個から100個くらいは確実にあるはずです。電球が切れている、お墓参りに行っていない、財布の中身がレシートだらけ、といった些細なものでも構いません。

次に、書き出した未完了のタスクを以下の4つに分類します。

  1. 今やる
  2. 今誰かに依頼する
  3. 今実行する日を決める
  4. 今やらないと決める

例えば、掃除が気になるのなら今すぐ掃除して完了させる。車検に行けないのなら、今すぐ車検の予約を取る。マイナンバーカードは作らないと今決めてもいい。

とにかく、今ここで全てのタスクに対して白黒つけ、そのことに対して考えないようにするのです。こうして未完了のタスクを完了させると、部屋を掃除した時のように気が散るものがなくなり、頭の中がすっきりします。これは、本来のパフォーマンスを出すための第一歩なのです。

そして、この頭の中がすっきりした状態をキープすることが大事です。何か気になったことが発生したら、後回しにせず「今やる」ことを習慣付けるようにしましょう。

言葉が世界を変える!思考を変える言葉の力

行動と共に、私たちに多大な影響を与えているのが「言葉」です。言葉はエネルギーがあり、時にトラウマとして残り、時に人を救うほどの威力を持っています。

結果を出したければ、恐怖に怯えて行動できなくなる言葉ではなく、勇気を持って行動できる言葉を使うべきです。

  • 課題を見つけた時に「難しい、嫌だな」と思うのではなく、「面白そう、達成感ありそうだな」と言い換える。
  • 「でも」と言いそうになったら、「はい、やってみます」と言い換える。
  • 「無理」と言いそうになったら、「楽勝だ」と言ってみる。
  • 忙しい時は「辛い」ではなく、「大人気だな」と言ってみる。

まるでドラゴンボールの悟空が強敵を前にして「ワクワクするぞ!」と言うように、物事をどう捉えるのかは、自分の使う言葉で決めることができるのです。これはある意味、自分を洗脳していくイメージに近い、と著者は述べています。

尊敬する人は「まるっと」真似る!いいとこ取りはしない

ここまで、自分の判断を捨て、より結果を出している人や尊敬する人のアドバイスに従うことが大事だと強調されてきました。その際の注意点として、尊敬する人のことを0から100まで全て真似をするのが良いとされています。

「言葉遣い、口癖、表情、姿勢、歩き方、考え方、服装、履いている靴下のブランド、使っている美容院、香水、髪型まで、何から何まで全て真似してみる」のです。

「自分はアルマーニが好きじゃないのに、尊敬する人が着ていたら着なきゃいけないの?」と思うかもしれません。しかし、「ここは取り入れるけど、ここはやめておこう」という自分の判断は入れてはいけないのです。なぜなら、もしその判断能力があるのなら、あなたはすでにもっと結果を出せているはずだから、と著者は手厳しい指摘をします。

これは例えるなら、カレーをレシピ通りに作らず、自分の好みで香辛料や水の量、野菜の量を決めてしまうようなもの。当然、結果も変わってきてしまいます。

売れる営業マンの見た目は統計で決まっている、という例が挙げられています。短髪で刈り上げ、紺のスーツに白シャツ、黒革ベルトに白い腕時計、黒革靴。売れる人はみんなこの服装であり、結果を出している人ほど「自分のファッションの好みなんてどうでもいい。これが統計的に一番売れている格好ですよと言われたらそれ以外の選択肢はない」と考えているそうです。

このように、誰かの真似をする時は、尊敬している人や結果を出している人の全てを真似することが肝要です。いいとこ取りはしない、ということです。

圧倒的な「量」が質と結果を生む

仕事も何事も、まずは量をこなすことで質は上がり、間違いが減り、何を抑えればいいのかも分かってきてスピードが上がるものです。

売れる営業マンは、最初から成約率を上げるよりも、とにかく思考回数(試行回数)に注目して、がむしゃらに数をこなすそうです。ある会社では、売れる営業マンに共通しているのは、売れる少し前の段階で「1日3万歩を歩いていたかどうか」だった、という驚くべきデータもあるとのこと。これは、それだけ多くの顧客と会っていた、という意味でしょう。

「少ない回数や時間で大きな結果を出している人もいるじゃないか」と思うかもしれません。しかしそれは、圧倒的な数をこなした後の状態です。膨大な量をこなす過程で、「あれ、こういった方が成功率が高いな」ということに気づき、だんだんと数をこなさなくても結果が出せるようになってくるのです。

今、少ない回数や時間で大きな成果を上げている人も、必ず「とち狂ったように大量に行動している時期」があるのです。

自分が満たされてこそ、真に他人に与えられる

最後に、結果を出すためのマインドセットや行動の最終的な目的とも言える考え方です。それは、「自分が満たされてないと誰かに与えることはできない」という真理です。

お腹がペコペコな人が目の前のパンを他人に与えようとすると、必ず名残惜しさや見返りを求めてしまうでしょう。一方、お腹がいっぱいの人が食べられなくて残ったパンを誰かに分け与える時、名残惜しさや見返りは求めません。それは、「自分はお腹いっぱいだし、残ったものを誰かに与えるのも捨てるのもどっちも変わらない」という感覚だからです。

このように、見返りを求めることなく相手に与えることができれば、相手もお返しをする必要を感じないから気が楽になる。これが本当に誰かに「与える」という行為の「質」なのです。

そして、見返りを求めることなく誰かに与えるには、自分が目一杯満たされていなければならないのです。もしあなたが満たされていないなら、他人の結婚式を本心から祝福できなかったり、他人の成功に嫉妬してしまったりする「見苦しい自分」になってしまうかもしれません。

そんな自分を変えたいなら、「死物狂いで、自分は幸せだと本気で思える状態」にならないといけない、と著者は言います。そのためには、自分自身を大切に特別に扱い、誰よりも自分の体を労り、自分の機嫌を取り、自分の人生に快適・快楽・幸福をもたらすことに全力を注ぐこと。要は、自分を幸せにすればいいのです。

そうやって自分の心のコップを満たし続けて幸せになり、その心のコップから幸せが溢れ出した時に、その溢れた幸せを初めて誰かに分け与えられる人になることができるのです。

ここまで説明してきた「結果を出すための内容」は、最終的に「他人に与えられる人間になるため」に繋がっていたのです。


まとめ

高森勇旗さんの「降伏論「できない自分」を受け入れる」は、結果が出ない現状に不満を抱えている人へ、具体的な行動変革を促す一冊です。

主なポイントは以下の通りでした。

  • 今までの自分の選択が間違っていたことを認める(降伏論)
    結果が出ないのは過去の自分の選択の結果であり、まずはそれを認めることから始まる。
  • 「でも」という言い訳をしていたら人生は変わらない
    「でも」は自己変革の最大の敵。即座に「やってみます」で打ち消す。
  • 心が抵抗する方に行ってみる
    恐怖や抵抗があることほど、大きな変化のチャンス。
  • 未完了のタスクは自分のエネルギーを確実に奪う
    未完了タスクを全て書き出し、「今やる、依頼する、日を決める、やらないと決める」で即座に完了させる。
  • 使う言葉を変える
    「難しい」を「面白い」に、「無理」を「楽勝」に言い換えるなど、前向きな言葉で自分を洗脳する。
  • 尊敬する人を0から100まで全て真似する
    いいとこ取りはしない。結果が出ていない自分には、いいとこ取りをする判断能力がないと知る。
  • 大量に行動する
    質は量に比例する。成功者は必ず圧倒的な量をこなす時期がある。
  • 自分が満たされていないと誰かに与えることはできない
    まず自分自身を徹底的に幸せにすることで、見返りを求めずに他者に与えられる人間になれる。

この本は、行動できない人の背中を力強く押してくれるメッセージに満ちています。

感想

この本を読んで、まず私の中に強烈に残ったのは「降伏論」という考え方でした。自分に「できない」と降伏するという言葉は一見ネガティブに聞こえますが、実は「今の延長線上には成功がない」という真実に目を向けさせ、自己変革の必要性を突きつける、非常にパワフルなメッセージだと感じました。多くの人が、うまくいかない原因を自分以外の何かに求めたり、自分の努力が足りないと思いがちですが、実は「自分のやり方そのもの」が間違っている可能性を指摘している点は、目から鱗でした。

また、「でも」という言葉の恐ろしさも印象的でした。無意識に使ってしまう「でも」が、どれほど私たちの成長を阻害しているのかを改めて認識させられました。今日からでも、何かを言い訳にしようとした瞬間に「やってみます」と唱える習慣を取り入れたいと感じています。

「心が抵抗する方に行ってみる」という言葉も、まさに行動を促すための金言ですね。人は新しいことや怖いことにはどうしても臆病になりがちですが、そこにこそ「自己肯定感の向上」や「自己変革」のチャンスがあるという視点は、多くの人に勇気を与えるでしょう。

そして、最後の「自分が満たされてないと誰かに与えることはできない」というメッセージには深く共感しました。全てはここに繋がっているのだと。自分自身を満たすことが、巡り巡って他者への貢献に繋がるという思想は、自己中心的であることと利他的であることの間に、実は矛盾がないことを示しているように感じます。これは、人生において非常に大切な視点ではないでしょうか。

全体を通して、この本は「とにかく行動しろ!そして行動の質を高めるためには、まず過去の自分を否定し、成功者の徹底的な模倣と圧倒的な量をこなせ!」という、非常にストロングなメッセージを私たちに投げかけてきます。今人生に疲れている人や諦めてしまった人には少しきつく感じるかもしれませんが、「本気で自分が欲しいものを手にしたい」と願うのであれば、一度手に取ってみる価値のある一冊だと強く感じました。

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